めまい

漢方・栄養学の観点から「めまいの状態」に応じて治療

めまいは、立ち上がろうとしたときのふらつきと、歩いているときのふらつき感などに大別されます。前者のめまいは、西洋医学的には「起立性低血圧」によるものとして治療されることが多く、後者は「内耳性」のめまいとして治療されることが多いようです。当院では、漢方的な見方、栄養学的な見方をしてみたいと思います。

漢方的な観点
立ち上がろうとしたときのめまいは、漢方的には「気逆」としてとらえます。つまり、頭にいくべき気が逆に下降しているということです。このときの漢方は苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を使用します。こうした病態で「回転性めまい」が加わり、西洋医学的に「メニエール」や「頭位変換めまい」などの診断がつく場合には、四物湯(しもつとう)を加えます。この組み合わせは「連珠飲」と呼ばれ、「メニエール」に著効します。それに対し、歩くときに雲の上を歩いているような感じの際には腸内の水毒を示唆しており、真武湯(しんぶとう)が効果的です。
栄養学的な観点
立ちくらみは「起立性低血圧」「自律神経失調症」などの診断がつきますが、その中には鉄不足が隠れているケースが多いといえます。鉄不足は、フェリチン、ヘモグロビン、MCVなどの値から推測され、ヘム鉄が効果的です。そのほかの低栄養状態が隠れている場合もあり、アルブミンの値などから推測します。この場合、卵などの良質なタンパクとビタミンB群を多く摂取すると効果的です。

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