「手足のしびれ」

漢方的・分子整合栄養医学的な観点からの治療も実施

手足のしびれは、理学療法でかなり軽減できる可能性がありますが、平行して漢方・分子整合栄養医学的なアプローチを行うことも効果的であると考えます。

西洋医学的な見方では、しびれの原因は中枢から脳由来、脊椎性、末梢神経、血管性というような分け方ができますが、漢方的な分類や栄養学的な見方をすれば、西洋医学的な見方で治りにくいものも治る可能性があります。

漢方的な見方

瘀血(おけつ)
瘀血とは「血流の滞り」を示しますが、特に慢性のしびれには血流障害がつきもので、漢方が著効する場合があります。舌、四肢の色や形で診断がつきます。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などが、その漢方となります。
血虚(けっきょ)
血虚とは、身体を構成する肉体そのものの栄養不足を表します。十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)などが、その漢方となります。
気虚(ききょ)
気とは、身体を構成する目に見えない「めぐるもの」というような意味合いです。気虚とは、簡単に言えば「元気がない」状態を指し示しているともいえます。漢方は六君子湯(りっくんしとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、四君子湯(しくんしとう)などです。

栄養学的な見方

鉄不足
若い女性のしびれには、この鉄不足は重要な意味を持ちます。「立ちくらみがある」「四肢に冷えがある」といった場合には、この鉄不足を疑うべきです。
ビタミンB不足
大量にお酒を飲む方、甘いものが大好きな方、スポーツや勉学でがんばっている方などは、ビタミンBが不足している可能性があります。我々のエネルギーはATPから得られるのですが、このATPの産生は、ビタミンBなしでは不可能なのです。実際、ビタミンBを内服すると、急に元気の出る方は少なくありません。ビタミンBは単独ではなく、B1、B2、B3、B5、B6、B12、ビオチン、葉酸という8つのビタミンBからなっており、これら8つのビタミンB群をすべて含んだものを摂取しないと、あまり効き目はありません。
ビタミンC不足
ビタミンC不足によって引き起こされる壊血病は、15世紀の遠洋航海時代の船乗りの病でしたが、現代においても食品の高化学物質含有や高ストレス時代のため、ビタミンCの需要が高まっており、多くの方がビタミンC不足に陥っています。ビタミンC不足に伴うしびれは疲れを伴っていたり、歯茎から出血したりすることがあります。元来ビタミンCは副作用のほとんどないビタミンですので、疑わしい場合は試してみることをお勧めします。

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