「便秘」

漢方・栄養学からのアプローチによる改善

頑固な便秘は不快感を引きこします。大腸癌の発生率も便秘にて上昇します。また便は大腸内での滞在時間が長くなると様々な病態を引き起こします。その原因は多く食事の絶対量の不足、腸管の動きが悪い、水分不足、腫瘍、腸管の老化などなどです。当院では漢方、栄養学的な不足にておこる便秘に対して考察を加え治療します。

漢方的な便秘治療
元来漢方は腸管内の便を瘀血であるとか毒素としており、疾病を治すひとつの方法として「寫法」として便秘を治している。そのため便秘の漢方は多くあり、その多くは大黄という生薬を含んでいます。大黄は元来便秘のを治すが、実は殺菌作用がありウイルス性腸炎などの時に腸内細菌を整える作用を持ちます。そのため大黄を含む漢方は下痢を伴うウイルス性腸炎に使用したりもします。大黄を含む便秘の漢方は麻子仁丸、調胃承気湯、大黄牡丹皮湯、桃核承気湯などです。食べられない時には大黄を含む漢方は強すぎるため、補気剤が効果的で、補中益気湯、六君子湯などがそれにあたります。
栄養学的な便秘の治療
腸管の動きが悪い場合はビタミンB群(B1,B2,B3,B5,B6,B12,ビオチン、葉酸)が効果的な場合があります。元来ビタミンB群は神経の伝道速度を速めたり、神経そのものを修復する作用があります。そのため神経に支配されている腸の動きが良くなって便秘解消なります。また腸内の細菌層は100兆個あり
ます。この中で菌の種類に乳酸菌などの善玉菌と腐敗を促進する悪玉菌があります。前者の善玉菌を増やすことは下痢や便秘などの便通異常を改善するだけでなく大腸がんや乳がんなどの悪性新生物の発生を防ぐ効果もあります。
この細菌層を善玉菌を多くするのはプロバイオティックスとプレバイオティクスです。前者のプロバイオティックスは善玉菌そのものをさしています。食物でいえば発酵食品です。発酵食品といえば納豆、ヨーグルト、キムチなどです。後者のプレバイオティックスはこの善玉菌を増やす食材をさします。食品でいえばオリゴ糖や食物繊維を多く含む野菜ということになり、玉ねぎ、ゴボウ、キャベツ、ネギ、ニンニクなどがあります。ビタミンCは腸内細菌に対しても善玉菌を増やす効果があります。

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