診療方針

当院の治療方針

痛みやしびれ、機能障害などの治療に際して痛み止めなどの薬剤を出来るだけ使わず、心と身体が本当に治って健康であると思える状態を目指すため、当院では局所の症状と体全体の関連を考察するなどの独自の考え方と手法を用います。

局所の症状・所見と体全体の問題との関連の考え方

(痛みやしびれの原因を症状がある局所所見と
影響していると思われる身体全体(心も含む)との関連を考える)

腰や膝などの痛みや手や足のしびれの原因を、その症状がある部位に原因を求めることは一般的であり、ひとつの要素としては正解だと思います。そして症状に対して痛み止めやシップなどの一般的なアプローチで治ればそれはそれでいいのだと思います。
しかし治らなかったり、薬の副作用などで別の問題がでてきた場合はどうすればいいのでしょうか。

私たちは患者さんの症状がある部位を局所的な要素としてとらえ、心の状態を含めた身体全体を別の要素としてとらえていきます。心や身体に影響を及ぼす要素として患者さんの背景(家庭、職場、学校、食事など)までも要素としてとらえることもあります。では局所と全体はどのように関連していると考えるのでしょうか。次の項目にて説明いたします。

治療考察の手順
例えば膝の痛みで来院された方がおられるとしましょう。
この方の痛みは他の医療機関では変形性膝関症の診断で痛み止めを処方されたが、中々治らなかたとします。

我々の見方はまず、膝の痛みの原因を膝はもちろんのこと膝を中心とした上下の関節まで影響するとしてみていきます。
まず膝を見るときには曲げる筋肉、軟骨、靭帯の状態そして血流の問題などを問診や診察にて明らかにしていきます。
次に膝関節に影響する関節として股関節・足関節の動きを3次元解析して時には歩行させて4次元の状態で診察していきます。
この時点で理学療法などを行うことで膝・股関節・足関節などの状況が良くなればいいのですが、さらに症状が残ればそれらに影響する体全体の問題を考慮していきます。
体全体の問題としては血液検査などにて判明する栄養状態、ストレスなどに関連する職場・家庭のトラブルなどです。例えばこの方はあまり食事が入っていない場合は、食事が取れるように漢方を処方しますし、血液検査にて鉄が不足していれば鉄の内服をしていただきます。

このようなアプローチで身体全体の問題点をあぶり出しにしていき本当の治癒を目指していきます。次に治療との関連を述べてみたいと思います。

理学療法・テーピング治療の適応の考え方

膝痛を例として

膝関節の痛みに対して当然膝に対して理学療法を施行していくことで局所の問題の軽減を図りますが、ほとんど全てに股関節の硬さが問題になります。
膝より股関節は周囲の筋肉の種類も量も多く、動きの範囲も膝より複雑で股関節の動きは膝のみならず、腰などにも大きな影響を及ぼします。
膝の痛みに大きく関与するもうひとつの関節は足です。足は全体重を地面・床に着地することで力学的な力を上方の膝や股関節に伝えていきます。
そのため足底の着地面の3次元的形態はとても大切です。この3次元的形態は足の関節(足関節、指の関節など)によって大きく影響され、理学療法にて動きを良くしていきます。
さらにスポーツなどでどうしても重力の影響で足底の3次元的形態や荷重面の不均衡が生じる時にはテーピング治療を用います。
このテーピング治療は3次元の形の変化を歩行という時間的な4次元の要素をとりいれることでさらに精度は増していきます。
これらの問題に実際に外で歩いたり、走ったりする時に靴の問題などが生じてきますが、この場合は歩行解析を行い4次元的な意味合いを持たせて動的な足底板を作成していくことになります。
(動的足底板は別項目にて参照してください。)

栄養療法・漢方の考え方
漢方と分子整合栄養医学からなる栄養療法は驚くほどに似た側面を持っています。
漢方の虚・実という概念がありますが、虚は弱っているとか足りない状態を指し、実は強いとか足りている状態を指しこの虚の状態は分子整合栄養学医的には栄養素が足りない状態とほぼ同じです。
漢方の実の場合毒素を外にだす治療を行いますが、栄養療法ではやはり重金属などの毒素を外に出す力を強くする方向に持っていきます。
漢方アプローチとして院長がお腹を触ったり、舌や脈をみたりすることで漢方薬の決定をおこないます。
漢方の診断基準は人体を「気・血・水」という構成要素からなっていると捕らえて、その状態がどうなっているのかを推測します。
また陰陽・虚実・表裏・寒熱の相対する2つの事象を2進法的に分類して漢方薬を決定することもします。
漢方的なアプローチはまず診察に入ってきた段階で、体格や雰囲気から虚証であるか実証であるかの判断をします。
次に話す速さや声の大小などさらに陰陽・虚実の判断をしていきます。
ここで問診にうつり症状から気血水のいずれか悪いかを考察し、舌を見てお腹を触り表裏・寒熱などの判断をしていき、処方をする漢方を決定していきます。
分子整合栄養医学も性別、年齢、見た目や肌の色、全体の筋肉の緊張具合、症状から足りない栄養素を推測し血液検査のデータとあわせて決定していきます。
分子整合栄養医学は症状と血液検査にて必要な栄養素を決定していきますが、血液検査からの判読はこの治療に特徴的で、
他の医療機関で異常なしとのコメントいただいても当院では様々な疾患と関連ある判読が可能です。
もし他の医療機関で異常ないといわれても納得できない方は当院にそのデータを持ってきていただいたら解析させていただきます。
(詳しい判読は別項目にて述べさせていただきます。)
分子整合栄養医学的なアプローチの例

腰痛を例として

例えば腰痛に関して言えば体全体を支える柱としての「腰」のシステムが壊れかけていると考えます。
そのために筋肉由来の腰痛であれば、筋肉の代謝に関するものに考慮します。
局所的な問題は別のところで述べることとして、全体の問題としてとらえる時は漢方的・分子整合栄養医学的なアプローチをおこないます。
腰痛の場合は分子整合栄養医学的な考察として腰痛の要素として筋肉をまず考えます。筋肉はタンパク質ですから「タンパク代謝」を考察していきます。
次に食事の中のタンパク質の質・量を調べます。また筋肉の質的問題には「肝臓」の問題は欠かせません。「肝臓」の問題で最も多いのは「脂肪肝」という状態です。
これも「タンパク代謝」、「糖代謝」の問題が密接に関与しています。
ここまでの話でも腰痛の問題から「脂肪肝」、「タンパク代謝」、「糖代謝」の問題が出てきました。
このような論法にて体全体の「問題」をあぶり出しにしていくのです。実際の例はさらに複雑になっていきますが、ほとんど全ての方にあてはまる大切な要素として挙げられるのは「食事」でしょう。
食事に関するものは一般的に言われている「常識」とはかけ離れている真実があるのも事実ですし、同じ食事を取っていてもある方にはきわめて「不都合な」ことを引き起こしていたり、ある方には「足りない」状態を引きこしていたります。

慢性の痛みや問題を抱えるか方の中で多くの方が「うつ」、「自律神経失調症」、「神経症」、「パニック発作」等の心の問題を抱えておられます。
当院は多くの方が心や体の「痛み」から解放され「ほんとうに治る」ことを心から願っています。

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