- 正座ができない
- 立ち座りで痛い
- 膝の曲げ伸ばしができない
- 歩くときや走るときに痛い
- じっと座っても寝ても痛い
- ガクッとしたりグラグラしたりする
- 膝が腫れている
- 正座ができない
- 立ち座りで痛い
- 膝の曲げ伸ばしができない
- 歩くときや走るときに痛い
- じっと座っても寝ても痛い
- ガクッとしたりグラグラしたりする
- 膝が腫れている
これらの症状は一例ですが、痛む場面も毎日ではなく、時々であったり、日によって痛い日と痛くない日があったり、しばらく休むと軽減したりすることも多いため、「年齢や疲労のせいで痛む」と思いがちで、放置している方も多いのではないでしょうか。
- 教科書的な見方では、変形性膝関節症の状態として軟骨の磨耗と、それに伴う軟骨と骨の変形が出現してきます(下図参照)。この状態になると痛みが出てきて、そのことが膝の動きを悪くしたり、周囲の筋肉の動きを悪くしたりして、さらに大きな痛みを引き起こします。また、軟骨の磨耗は関節内の炎症を引き起こし、関節内の「水」の原因になります。
そして膝の痛い方は、医療機関でレントゲンによって軟骨のすり減った状態を指摘され、痛み止めやシップの処方、さらに電気治療などを行います。これらの処置によって痛みが軽減すればよいのですが、そのうち痛みはさらに増大し、水がたまれば抜いて、炎症止めの注射液(ステロイドもしくはヒアルロン酸)を関節内に注射されるということを繰り返します。それでも痛みの軽減がないときには、まず関節の内視鏡である「関節鏡」を勧められ、それでも治癒しないときには、「骨きり」「人工関節」などの手術を勧められることになります。
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当院では、膝痛に対して膝の機能を多くの要因から分析していきます。膝の軟骨・半月板・靭帯、そしてその周囲の筋肉(大腿四頭筋、大腿二頭筋など)などの状態や機能はもちろん、膝の上下にある股関節・足関節・姿勢などについても機能分析を行い、理学療法などによって改善していきます。
元来、膝は大腿骨と脛骨の間に存在しており、その骨の表面は軟骨で覆われ、その両側の楔形をした半月板という軟骨によって関節を安定化させています。軟骨の栄養は、関節内にある「背広の裏生地」のような「滑膜」から産生される関節液から得られています。近年、皮膚などの傷の治癒には、傷が産生するこの滑液のような「じゅくじゅくな液体」が大切な栄養源であることが判明しています。そのため、傷にはガーゼなどその液体を取り去るものはできるだけ使用せず、この「じゅくじゅくな状態」を維持することで創傷治癒を早めることが分かってきています。膝の場合も同様であり、膝の関節液(水)については、診断的な意味合い以外ではできるだけ抜かずに治療することが大切であると考えます。
さらに当院では、他の部位の痛みと同様、全身の筋肉の質や量を決定する栄養状態を漢方・分子整合栄養医学などから分析し、治療に役立てていきます。
図:正常膝関節解剖図
図 変形性膝関節症の状態像
図 正常膝Xp
図 変形性膝関節症Xp -
変形性膝関節症に影響する姿勢の変化は、次の2つのタイプに分けらます。
- (1)骨盤後傾、脊柱後彎
膝が曲がってО脚になり、内側に引っ張られる - (2)骨盤前傾、胸椎後彎
膝が過度に伸びながらО脚になり、外側に引っ張られる
- (1)骨盤後傾、脊柱後彎
- (1)骨盤後傾、脊柱後彎
脊柱後彎は加齢に伴って最も多く見られます。脊柱後彎によって骨盤は後傾し、下肢の運動連鎖によって膝関節は屈曲−内反−内旋位に変化します。また、脊柱後彎によって骨盤後傾位になると、重心の後方化を引き起こし、股関節の伸展力を生み出すことが困難となります。膝関節は屈曲−内反−内旋位となり、伸展制限を引き起こします。(2)骨盤前傾、胸椎後彎について
加齢による脊柱の変形は、胸椎の後彎変形が最も先行するといわれています。胸椎後彎によって支持力の低下と重心の後方化が生じます。後方化を代償するために腰椎前彎、骨盤前傾が起こり、骨盤前傾によって股関節の内旋を引き起こし、膝関節が外旋します。どちらの場合も腹筋や背筋といった体幹筋が働きにくく、股関節の伸展筋の力源も得にくくなることから、起立時や歩行時に膝への負担が増加します。歩行時の特徴として、支持足側に過剰な負担をかけることが多く、扁平足や外反母指といった足の変形が増えてくるようです。
- 図:過回内位(内側に過度に足部が回った状態)
- 図:中間位(内にも外にも足部が回ってない状態)
- 図:過回外位(外側に足部が過度に回っている状態)
- 当院では、上記のように姿勢・足の状態を分析のうえ、これらを理学療法などによって改善し、痛み・機能を改善していくことになります。