甘いものは恐れや驚きを感じやすくする

甘いものは恐れや驚きを感じやすくする

陰陽五行説と分子整合栄養医学の奇妙な一致

陰陽五行説という東洋医学の理論によれば脾(胃腸)が弱っている時には甘いものをほしがりそれを食べると効果を発する。しかし甘いものを食べすぎると腎(生命力)が損なわれ恐れや驚きを感じやすくなるといわれる。それに対して分子整合栄養医学の世界では機能性低血糖という概念があるが、これは甘いものを食べすぎると血糖の上昇が激しいため高血糖になりインシュリンの大量分泌を引き起こし結果として低血糖となることをいう。新宿溝口クリニックの溝口徹医師はこの血糖の急激な低下と低血糖が「うつ」や「パニック障害」の大きな原因となることを見つけている。つまり脳のエネルギー源として「ブドウ糖」が重要な要素であるがそれが急激に低下することで脳が「恐怖」を感じたり、「低血糖」になり脳の機能が低下して「うつ」になったりする。はからずも東洋医学の陰陽五行説と分子整合栄養医学が奇妙な一致をみたのだ。
陰陽五行説は紀元前の古代中国に端を発する。この時代に今の時代のような甘いものなどが多くあるわけはない。そう考えると現代の食生活のほとんどすべてが甘いものの過剰摂取と考えていいだろう。その上現代の甘いものは精製された白砂糖を使用しており、糖の吸収率はさらに早い。そのため現代人のほとんどが古代人に比し「甘いもの」過剰による害を受けていると思われる。
白いものを駆逐せよ!
アメリカで食卓から白いものを駆逐せよという運動が盛んだった時期がある。白いものとは精製された白砂糖、精製された小麦より作られた食パンなどを指す。これらの精製された食材を黒砂糖や全粒粉(精製されていない小麦)のパンなどに変えることで、糖の吸収率を落とし成人病を予防しようとしたものである。元来小麦の精製技術は18世紀より開発されているが、このころより精神病が多くなったとの報告もある。
低血糖を疑え!
現代でも脾(胃腸)が弱い方は消化の良い糖質や炭水化物を好む傾向がある。このような方が糖質・炭水化物を摂取すると2-4時間の経過でインシュリンの過剰分泌で低血糖が出現することが多い。食事をしてから低血糖までの時間的な経過が長いため食事の影響としてとらえずらい傾向にある。お昼にうどんやおにぎりなどの炭水化物中心の食事のあと数時間後に「イライラ」を感じたり、「もーれつな眠気」に襲われる方は自分が機能性低血糖であるかもしれないと疑う必要がありそうだ。いつの時代も食事(味覚)と精神状態の関連は深い。

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