新型コロナウイルスとビタミンD

新型コロナウイルスとビタミンD
*:ここで述べられているビタミン D は病院などで処方されている活性型ビタミン D ではなく、栄養素としての非活性型ビタミン D です。

新型コロナウイルス死亡者は黒人に多い

新型コロナウイルスによる死者はアメリカでは猛威をふるっている。特に黒人の死亡率は高く白人の5倍にもなる。また新型コロナウイルスによる死亡率の高いイタリア、イギリス、スペインの方のビタミンD濃度が低いとの報告もある。また新型コロナウイルスによる死亡率の高いイタリア、イギリス、スペインの方のビタミンD濃度が低いとの報告もある。
元来ビタミンDは皮膚で紫外線B波に暴露されることでコレステロールを原材料にして合成される。皮膚が白いほうが紫外線の吸収が良いため、が黒いと吸収率は最大 1/6 まで低下し黒人の場合ビタミンDの血中濃度は白人の半分とどまっている。

ビタミンDの効能

ビタミンDはほぼすべての組織での遺伝子のスイッチの ON OFF に関与している。ビタミンDは遺伝子が収められている核内に入り込み、ある特定のたんぱくと結びつきさらに別のたんぱくと結びついて DNA の特定の部位に結びつき遺伝子を発令させ、生体内でたんぱくを作らせる。この細胞核に直接作用して特定のたんぱく質を生体内作らせることがビタミン D の生理活性となる。この様に核内の受容体に結びつくものをスーパーファミリーと呼びそれらは生命維持の根源的役割をもつ。ビタミン D が影響する遺伝子は 1000 種類を超える。代表的なものは骨代謝に関与するものだが、「がんの予防」、「感染症」、「炎症を抑える」など様々である。
「感染症」に関するものだが、体内で抗菌ペプタイドを作る遺伝子の近くにビタミン D の受容体たんぱくがあり、人の細胞にビタミン D を加えるとこの抗菌ペプタイドを作るのも確認されている。またビタミン D が感染時の過剰な炎症(サイトカインストーム)を抑えることが確認されている。そのためか夏場に日焼けをしていると冬場のインフルエンザなどの感染症が減るとの報告もある。

ビタミンDと日光照射、食物

食物や日光照射からどれほどとれるかを少し記載しておく。タラ肝油 1360IU/大さじ 1 杯、マグロ、イワシ、サバ、サケなどは 200-360IU/85-100g、生シイタケ 100IU/100g、干しシイタケ1600IU/100g、卵黄 20IU/1 個である。
そして夏の昼間白人が 15-20 分間直射日光に暴露されたときは 10000IU 体内で合成できる
ビタミン D 欠乏しやすい方
紫外線に当たらない方がまず欠乏状態になりやすい。これは緯度の高い地域(日本では北海道など、北欧)にお住まいの方は紫外線照射量が少なく欠乏状態になりやすい。北欧ではビタミンD 欠乏を防ぐために 2-3 歳からビタミン D を豊富に含む魚油を内服させている。また慢性の下痢などがある方もビタミン D 不足になりやすいことも分かっている。
ビタミン D 合成に関する要因・肌の色、服装、体脂肪の量、年齢
肌の色は白い方が紫外線の吸収は良好であり、日焼けで紫外線吸収は落ちる。紫外線 B 波は服を透過できないため、肌を露出する必要がある。体脂肪はビタミン D を蓄積するため血中濃度を上げるにはより多くの紫外線暴露が必要だ。加齢は皮膚のビタミン D 合成能力を低下させる。例えば同じ条件での紫外線暴露に対して 22-30 歳の若者集団と 62-80 歳の老人集団での最大血中濃度は前者が 30ng/ml で後者が 8ng/ml であった。つまり老人の皮膚はビタミン D の合成がしにくいようだ。
老人の皮膚でのビタミン D 合成能の低下は高齢者介護施設での新型コロナウイルスクラスター発生の一因になっているかもしれない。これらからわかることは若くてある程度体脂肪があり色白の方が皮膚を露出して日焼けをすることがビタミン D 合成に必要であろう。逆に言えば介護施設などのご高齢の入所者で紫外線委暴露される機会が少なく、比較的色黒で痩せている方はビタミン D 欠乏に陥りやすいということだ。
日焼け止めクリーム
「The Vitamin D Solution」の著者であるマイケル・ホリック博士によればSPF8の日焼け止めでビタミンDの合成は97.5%、SPF15で99.5%減少するといわれる。
彼によれば日本人の場合に半ズボン、半そでで日中の日の高い時間帯に10-15分の日光浴をすれば経口した時の800-1500IUのビタミンD量が合成できるとしている。
紫外線の害
「The Vitamin D Solution」の著者であるマイケル・ホリック博士によれば SPF8 の日焼け止めでビタミン D の合成は 97.5%、SPF15 で 99.5%減少するといわれる。
彼によれば日本人の場合に半ズボン、半そでで日中の日の高い時間帯に 10-15 分の日光浴をすれば経口した時の800-1500IU のビタミン D 量が合成できるとしている。
紫外線の害
紫外線は元来皮膚に対して障害を持ち、最も恐ろしいのは皮膚がんである。この場合日光照射後皮膚が赤くなるだけで日焼けをしないタイプは皮膚がんになりやすいといわれている。また鉄不足やビタミン C の不足がある方はシミ、そばかすなどの色素沈着が起こりやすい。このような方たちや紫外線アレルギーがある方は経口で食物やサプリで補うしかないであろう。
ビタミン D 欠乏を防ぐには
皮膚からの紫外線吸収が最も安価で効率的だが日焼け止めクリームを塗ると 98%がブロックされる。日光照射で少し赤みが出る程度に当たらなければいけない。必要量の紫外線は北米で真夏に 10-15 時の時間帯に 5-15 分の全身紫外線暴露が必要である。この照射は多すぎても意味がないばかりでなく、ビタミン D を壊す物質さえ作ってしまうし、紫外線の他の害もでてくることになる。しかし日光暴露の少ない地域では経口から摂取するビタミン D を増やすしかない。どのくらい摂取すべきかは日本での基準は 200IU(5μg)で欧米では 200-600IU(5-15μg)とかなり差があるが、ハーバード大学では 1000IU(25μg)を推奨している。血中濃度との様々な疾患との相関から 25-45ng/ml というのが適切な値の様だ。この値からさらに上昇して 150ng/ml を超えると高カルシウム血症などの中毒症状がでてくる。まずは皮膚を日光に暴露することを極端に恐れないことが必要である。それに自分の地域や生活パターンが日光に暴露される機会が少なければ、やはり 500-1000IU 程度のビタミン D は摂取すべきかもしれない。感染症、自己免疫疾患、がんなどにすでにかかっていたりその可能性が高い場合はビタミン D の血中濃度を測定して日光照射を増やすことがまず行うべきことと日光照射の少ない秋から冬にかけて積極的にビタミン D の摂取を増やすなどの適切な対応を考えるべきであろう。
新型コロナウイルスとビタミン D のまとめ
新型コロナウイルスの感染・死亡の要因を肌の色・クラスターの場所・死亡者の年齢、・日光暴露などをマスコミからの情報をまとめると黒人、日光暴露の少ない場所(老人介護施設、病院、フィリンピンパブなど)、高齢者などがキーワードとして浮かび上がる。ビタミン D 欠乏者の危険因子は黒人、高齢者、日光暴露が少ない、下痢、日焼け止めクリームなどである。共通しているものが多く介護施設、病院、フィリンピンパブなどで働く方は夜間勤務で日光暴露が少ないことが予想される。また新型コロナウイルスによる重症肺炎は免疫細胞の暴走から来るサイトカインストームで亡くなっている。ビタミン D はこのサイトカインストームを防ぐ効能もある。まずは外に出て日の光を十分浴びビタミン D の血中濃度を上げることは新型コロナウイルス感染の予防策としてかなり重要な印象である。まだ新型コロナウイルスにビタミン D が効くなどとの確定した報告はないが、幸い保険適応で血中のビタミン D の血中濃度は測定できる。心配な方は最寄りの医療機関で尋ねてみてはいいのではないだろうか。

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