異化と同化(貯金にたとえる)
代謝は2つに大別でき、異化と同化である。異化とは生体にとっては生命を維持するためのエネルギーであるATPを作るため生命体の生体高分子を分解していく作業で、同化とはそのATPを使用して生体高分子である生命体を作っていく作業である。
簡単に言うと異化とは貯金を取り崩し生活費に充てることをいい、同化とは余ったお金を貯金していくことで、貯金残高が生体高分子ということになる。貯金が郵便貯金、銀行貯金、タンス貯金などに分けられるように同化にも種類がありタンパク、核酸、多糖、脂肪などがある。
角砂糖はなぜ燃える
代謝というと異化と同化のうち一般的に異化(生体高分子を分解)を指していると思われる。太りにくい身体とは「代謝の良い」ことをさしている。異化が亢進することは生体にとっていいことばかりではないが、肥満という面でみれば異化(代謝)を良くすることは必要である。例えば角砂糖をテーブルの上においていて燃えることはないが、アルコールランプの1200度の火にかざすと燃える。ところが角砂糖を食べるとエネルギーに変わるが、これは体内で燃えていることに他ならない。つまり36.5度で角砂糖が燃えたことを示している。なぜ36.5度で燃えるのか?
酵素の働き
体内には砂糖を分解してエネルギーに変換する酵素(こうそ)と呼ばれるものがある。人体には3000種類を超える酵素があり生体内の化学反応を円滑にしている。そしてこの酵素はタンパク質からできていて、エネルギー変換するためには酵素が必要で、それを上げるのはタンパク質の摂取を多くすればよいのだ。つまり代謝を上げるキーワードはタンパク質を多く摂取することだ。
タンパクを食べることの重要性
タンパク質といえば肉、卵、魚、豆である。その中でも動物性たんぱくである肉、卵からは効率よくタンパクを吸収できる。太るからと言って肉や卵の摂取を控え野菜ばかり食べている方たちの訴えで「どうしてもおなかがすくから時々甘いものを食べる」、「どうしてもやせない」、「水を飲んでも太る」などをよく耳にする。
タンパク質の摂取を控えると「タンパク飢餓」と呼ばれるタンパク質の不足を引き起こし我慢できないような食欲がでて「つい甘いものを食べる」ことになり、これがインシュリンの分泌を促し、「水を飲んでも太る」様な状態を引き越すのだ。
もう一つのキーワードはビタミン
代謝を上げるもう一つのキーワードはビタミン摂取です。ビタミンは先ほど述べた酵素の活性を高める補酵素にあたり、ビタミン特にビタミンB群・Cは代謝を上げるキーワードになります。代謝を上げるにはタンパク、ビタミンB,Cなどが必要ですが、個人差がありその他の抗酸化ビタミン、ミネラルが必要な方が多くおられることは銘記しておくべきだ。
代謝を上げて体調を良くしたいとか、体重を減らしたいと思って食事を変えたり、運動を始めたりして疲れや体の変調を感じたら中村博整形外科医院のドアをくぐってみるのもいいかもしれない。

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